チェリーガール
「しっかし、あの男面食いだったんだ。美人の彼女ね。要するに、タカビーだったんだ。それじゃ、心愛レベルでは妥協しないってことだなー」


ヒドイ……。


私レベルで妥協って……。


そりゃ、たしかに彼女は美人だよ?


でも、そんな言い方ってないんじゃない?


「まー、諦めるしかないよ。所詮、お高くとまってる雪男様なんだから」



「その彼女と私は知り合いなんだよ……」


「えっ!? マジで? 私も知ってる人?」


「ううん。私とは前世で一緒だった人」



たまきは、じっと私の瞳を見たまま黙りこくってしまった。


どうしたんだろー?


そうして、私の背中を優しくさすり始めた。


どうして?


「疲れてるんだね。そんな時って、おかしくなるよね。大丈夫。休養したら治るよ」



おかしくなんかなーい!!


断じて、私は気が違ったわけではありません!!


「そうじゃないんだってばっ!!」
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