チェリーガール
「前世とかマジ信じてないから。私、そういうの理解できない」


「ほんっと、見たことあるんだよ。でも、思い出せないの。それって、前世で会った人としか思えなくない?」


「ううん。その人のこと忘れてるだけだよ。前世とかマジありえない」


「いや、現世では会ったことないんだよね」


「その前世とか現世とか胡散臭いんだけど」


「でも、本当に会ったことないけど会ったことあるんだってー」


「何言ってんの? 大丈夫? おかしいよ」


そう言われたら、何も反論できず……。


おかしいのかな、私?


でも、私はたしかにあの人を知ってる。


あの人って、本当に誰?




▼ ▼ ▼ ▼ ▼



澄み渡った秋空をバックに飛行機雲が姿を現していた。


今日は、小春日和なのかぽかぽかと暖かい。


そして、いつもより風が弱い。



学校帰りに、カレーパン3個を買ってパン屋さんから自宅まで歩いていた。


自宅まであと数メートルというところで、携帯が震えた。


制服のスカートのポケットの中からバイブ機能にしていた携帯を取り出す。



サブディスプレイを見ると『たまき』と表示されてる。


たまきから電話なんて珍しい。


めったにないこと。


なんかあったんだろうか?


たまきと通話することにした。


「もう!! ストーカー卒業したんじゃなかったの!? 怒るよっ!?」






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