王子達と甘い恋
体育館に入ると、やっぱり人で埋め尽くされていた。
空いている席はないか。と見ながら歩く
「聡!!」
声がした方にグルッと体を反転させると、俺に手を振ってくる男が
そいつは、俺にとって見慣れた顔をしていた
「無視?無視なんて酷いな。長年の親友に何て態度だよ。」
確かに長年の親友の顔が、そこにあった。
こいつも同じ高校、志願したんだっけ。
また三年間一緒かよ……。なんて思いながら、伊織の隣をみる。
「伊織の隣、空いてるじゃん。」
心の中で、ラッキーと喜んでいたが
「駄目なんだな。
この席はたとえ聡でも、譲れないんだって。」
は?こいつ言ってること訳わかんない。
隣の席は、誰が座るのか?と不思議そうに聞くと
「可愛い女の子。」
希望なんだ。と付け足して
なんだこいつ。なんて思いながら
こいつ女たらしだったっけ。と思い出して、普通に頷く。
せいぜい頑張れよ。とだけ言って他に空いている席が見つかったので、そこに座った