王子達と甘い恋
ちっ。伊織め。
伊織が隣の席が、可愛い子が座るのどうのこうの言ってたから、俺がこんな大変な思いしているわけで
あの時に、隣の席を譲ってくれたら今頃平和だったのか。と思うと
絶対に許さないからな。
伊織へそんな思いが膨らんでいった。
『ちょっとー。聞いてるぅ?』
何を?と隣に引っ付いて中々、離そうとしても離れないブリッコの女子に聞く。
『名前、速く教えてよぉ。』
ねぇ。と言ってくる。
何だこれ。脅しにしか聞こえないんだけど
言おうか言わないかで迷った。そんな瞬間に
「うわぁー。
胡桃ー。」
「席、離れるの嫌だよー。」
そんな声が体育館の全体に響き渡った。
この広い範囲に響く声ってどんな声なんだよ?と不思議におもいながら、声の発信源を見ると
「嫌だよー。
胡桃ー。胡桃ーーー!」
2人の女子がいた。
俺より、遅刻しそうな女子が2人もいたんだ。と驚いて見る