王子達と甘い恋
入学式が終わってすぐ走り寄ってくる、伊織
興奮した顔から見て、隣に本当に可愛い子が座ったのか
俺的には凄く残念なんだけど……。
「……で?」
「よく、聞いてくれたね!」
ニコッと。男の俺でもカッコよく尚且つ可愛いと思う笑顔を向けられる。
そんなんじゃなくて。
いやいや、伊織が速く聞いてください。とそういう目で見てくるからだろ。
「それで!俺のね、隣にね、座った子がね、」
「…………。」
興奮しすぎなのかわからないけど
文節、文節で言葉を区切ってきて言われるから凄く伝わりにくい。
「凄く、可愛かったんだ。」
でも、伊織の隣に座った子が凄く可愛かった。と言うことだけは解った。
でも珍しいな。
こんなにも女に惚れる伊織なんて久々だな。
楽しそうに話す伊織の隣で、胸が高鳴ったのは言うまでもない。
でも、胸の鼓動を自分で押し殺したのは長年ついた癖なのか
そして、何時もより難しかったのは何故か?
なんて考える余地なんてなかった