粉雪の舞う夜
うっ、ヤバい!

かぁーっと、急速に火照る私の顔、それに気付かれたくなくて私は彼から顔を逸らした。


あぁ、今の感じ悪かったかな?
せっかく、笑ってくれたのに………。


話かける、チャンスだっかもしれないのに……。


こんな気持ちになったのなんて初めてなんだから、頑張らないと………だめだよね?


意を決して話かけようと顔を上げた時、タイミングが悪く、彼は立ち上がり部屋を出るとこだった。


「……あっ……」


出て行く彼を、目で追うものの喉に何かが詰まって言葉が出てこない。



あーぁ、なにしてんだよ私。


彼が、いなくなった途端緊張感を無くし壁にもたれて、息を吐いた。


今まで、こんなことなかった。


こんなふうに、男の人にときめいたり緊張したり行動を、目で追ってみたり。


本当に、そういったことに興味がなかったから。

なのに、彼を見た時胸が高鳴った。


そして、声を聞いた時、何故か懐かしく感じた。



凄く逢いたい人に逢ったみたいだった。


初めて逢ったはずだったのに……。


今日の、私はどこか可笑しいのかも。
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