粉雪の舞う夜
その後、数分して彼は部屋に戻って来たけど、私は彼と話すことすら出来ずに時間だけが過ぎていった。


そして長いようで短かった合コンは終わりを向かえ、仲良くなった人同士で遊びに行くことになったらしく、美幸が私に近寄ってくる。



「早紀、私、修平君と遊びに行くけど、早紀はどうする?
誰か、いい人いた?」


そう言われ、私の頭に浮かんできたのは名前も知らない彼のことだった。



彼は、誰かと行くのだろうか?
と、彼を捜してみる。



その行動に、美幸が素早く反応した。


「なになに?
早紀も、とうとう気になる人出来たわけ!だれよぉ?」


キラキラと瞳を輝かせて、自分の事のように興奮している美幸。


「え、誰って……あれ?」

「どうしたの?」


私は、辺りを見渡す。


「……いない」


「え?そうなの?
もしかしたら、もぅ誰かと行っちゃったとか?
誰なの?私、修平君に聞いてあげるよ」


彼は、何処にもいなかった。

美幸が、修平君に聞いてくれるって言うけど私は、うーんと考える。


誰かと行ったなら、邪魔したら悪いんじゃないかと思ったから。


でも、美幸の一言で私の気持ちは変わる。

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