粉雪の舞う夜
すると正典さんは、首を傾げたままの格好で『何して遊ぶ?』と聞き返してくる。


「そうだなー。
運良く公園だし雪がいっぱいだし、雪遊びは?」


「雪遊びか……。
うん、いいね!」


ということで私達はブランコから腰を上げ、まだ誰も踏んでなくて綺麗なままの雪を手に取りギュッと握り始めた。


「雪といえば……」

と、言葉を区切ると、『雪合戦!』と二人綺麗にハモった。


と、同時に私は正典さん目掛けきつく握った雪玉を投げつけた。

それを合図に、雪合戦開始は始まった。


いい大人二人して、握っては投げを繰り返す。

私は、負けず嫌いだから特大の雪玉を作って彼に投げつけてやった。

それは、彼の顔面に命中させるのに成功した。


「よっし!!」

と、嬉しさのあまりガッツポーズをしていると『あだっ!』と、今度は正典さんの投げた雪玉が私の顔面ヒットした。


…痛い!

痛さに俯いていると、前から正典さんの笑い声が聞こえてくる。


「油断してるからだよ!」

「うー!悔しい!」


真っ赤になった鼻を、さすりながら私は、意地悪そうににやけている正典さんを睨んでやった。


くっそー!かなりかたく握りやがったな!
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