粉雪の舞う夜
女の子相手に、手加減なしですか?


なんて、考えていると休む暇なく正典さんが次の攻撃を仕掛けてくる。


「言っとくけど、勝負に男も女も関係ないよ!」

と、言ってまた投げてくる。


「むかつく!少しくらい手加減しなさいよ!」


「やだねー!ほら、逃げてばっかだと意味ないよ!」


なんて言いながら、追っかけてくる。

マジむかつく!負けるか!


それから、お互いの猛攻撃が続いた。

まるで子供のころに戻ったかのように私達は夢中になっていた。


「あ〜、疲れた!こんなに雪合戦したの生まれて初めて!」


「あはは!俺も初めて」


あれから、数時間も攻防戦を繰り広げいた雪合戦を終え、今私は濡れたり汚れたりするのも気にせず雪のベッドの上に横たわっている。

そのすぐ、横に同じように横になっている彼がいる。

ふーと息を吐くと冷えているため白いが、動いて火照った体の私には、澄んだ冷たい空気が心地よかった。


隣にいる正典さんも同じなんだろう。
冷えきった外の空気に晒されているというのに、気持ちよさそうに瞼を閉じ長い前髪を、かきあげて汗に濡れた額を空気に晒している。
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