粉雪の舞う夜
「できたぁ!」

「結構、いいできだね!」


二人で、雪だるまの前に立ち笑顔になる。


適当にしたわりには確かにいいできだと思う。

私は、はぁと息を吐き冷たくなった両手を温める。

「もう、クリスマスも終わるね―……」


雪だるまから地面に視線を下げた正典さんが呟いた。


時計を見ると、11時50分になっていた。


「本当だね…。
あと10分で終わりだよ…」

と、言って私は彼を見上げた。


寂しそうな正典さんの横顔が目に入る。


何かを思い詰めているような表情だった。


見ていられなかった私は、言葉を続けることにした。


「私ね、クリスマスなんてどうでも良かった。
友達みたいに、彼氏と過ごすわけでもないし、家族と楽しく過ごすわけでもないから。
……だけど、今回は違うよ」


そこで一度言葉を区切り、雪だるまに近づき頭を触る。


「今回は、私にとって一番のクリスマスになったよ。……正典さんと、子供みたいな遊びをして、凄く楽しかった。
……だから、正典さんも、少しでも同じように思ってくれるなら……」


私は、後ろにいる彼に振り返って見上げた。


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