粉雪の舞う夜
「あ〜、寒い…」


私さっきから寒いしか言ってないような………。

まっ、いいや、実際寒いし。



後は教室に戻って担任から通信簿を貰って、家に帰るだけになった。


やっぱり、終業式の日は学校が早く終わる。


担任が話てる間、私は明日からの冬休みをどうやって過ごすかばかり考えていた。


私は窓側の一番後ろと良い席にいるもんだから、目線は教卓に立つ担任へではなく、窓の外に向かっている。


頬杖をついて、窓から空を見ると学校に来る時より、さらに雲行きは怪しくなっていた。


やっぱり、雪かな?


どうしてかわからないけど、今年はやけに雪に反応を示してしまう。


きっと最近毎日のように見る、あの夢のせいだろうと思う。


雪の降り積もる中で、悲しみに包まれている男女の夢。


やけにリアルな癖して、誰かもわからない夢。


やはり、わかるのは雪の真っ白さだけで、後に残るのは辛い感情だけ。


どうして、私が夢に影響されてんだかね……。



でも、と私は空を見つめながら思う。


雪……。


あぁ、降らなきゃいいなぁ……。


何かを、思い出してしまいそうで。


なんだか、不安を覚えた。

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