粉雪の舞う夜
笑顔の君
「待ちに待った冬休み到来!!」


と、大袈裟に喜んでいるのは私ではなくて、美幸だ。


「美幸、煩い……」


「もぉ〜、早紀あんた本当、冷めてるね?
本当に高校生なわけ?」


美幸は、呆れ顔の私にそう言った。


「冷めてるのと、高校生なのって関係あんの?」

「どーでもいいしぃ!」


いや、あなたが言ったんですけど……。
なんて言っても、きっと今の美幸には通じないだろう。


なんせ今から遊びに行くと、やたら張り切ってるからね。


「でさ、一体今から何処に行くのよ?」


私は、話題を自分から変えてみることにした。


学校から帰って、家でのんびりテレビを見ていたら、美幸が私を迎えに来た。

そして今、私達は街を歩いている。


「んーとね、カラオケ!」

「二人で?」


嫌な予感がした。
私の予感って、意外に当たるんだよな。


「……違う。実は、今日M高との合コンでさ、人数たんなかったから」


あー、やっぱり。

嫌な予感的中だよ……。


「……はぁ。最悪」


「ごめんって!
でも、あれよ!
早紀も、いい加減彼氏つくりなさいよ」


はぁと、溜息をついた私に、美幸は顔の前で両手を合わせて謝ってくる。
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