君の笑顔をもう一度


 「ああ、いいよ?」

 メモに簡単な地図を書いてもらった。

 「あのさ、櫂。これは何?」

 櫂は自分の地図を見て首を傾げた。

 「何って地図」

 そこにはあたしの家の神社が書いてあり
 一本の線らしきものと亜理紗の家と書か
 れた建物。

 「これだけじゃ分からないよ」

 そういえば櫂って美術2だった。

 「・・・・・よし、櫂やっぱり家まで
  案内して」

 そう言って櫂を引っ張った。

 



 「なぁ、未琴背伸びた?」

 亜理紗の家まで櫂に案内してもらうこ
 とになった。

 背?

 ん~?伸びたかな。

 「たぶん」

 「だってよ、前までお前のことすっごい
  見下ろしてたのに今じゃ結構目線が近
  くなった」

 確かに。

 「ってかさ、覚えてっか?去年の冬、
  よく二人で勉強したよな」
 
 うん。

 覚えてる


 あの頃は高校受験がまじかで櫂に勉強教
 えてたっけ。

 櫂の頭じゃあ今の高校は受かんなくてあ
 たしが教えて何とか受かったんだよね。

 うちの高校は県でも有名な名門高校だか
 らね。
 



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