君の笑顔をもう一度

ニコッと微笑む。

 「う゛\\\\\\\反則だその笑顔」

 ん?

 なんか言った?

 

 

 放課後―

 「櫂、行こう」

 帰りの支度をして櫂に声をかける。

 「おう、んじゃ行くぞ」

 櫂は私の手を引きカバンを肩に背負った。

 ガシッ

 「うわぁ!!」

 制服の裾を誰かに引っ張られた。

 こ、転ぶ!!

 ガッ

 転びそうだった私を櫂が引き寄せてくれた。

 「危ねぇ・・・・まったくドジだな未琴は」

 櫂は『ひひっ』と無邪気に笑った。

 「あ、ありがとう」

 ほんと、危なかった。

 「あ、ごめんなさい!!」

 え?

 後ろを振り返る。

 「あの、姫野さん話があるので櫂くんには
  先に行っててもらえますか?」

 そこにはクラスの男子が。

 この人が今引っ張ったのかな?

 話?

 あたし男子に恨まれる様な事したっけ??

 「おう、いいぞ?早く来いよ」

 そう言って櫂は行ってしまった。

 「あの~何か?」

 顔を覗き込み恐る恐るたずねる。

 
 ブッ

 「うわっ!!」

 いきなり鼻血が飛んできた。

 ・・・・・何事??

 「あの・・・櫂くんが家に行くって・・・
  本当ですか?」

 

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