君の笑顔をもう一度


 取り合えず櫂に電話しなきゃ。


 「櫂?亜理紗見つかったから早く東の
  入り口に来て!!」

 『おう!!』


 櫂が来るまであたしがどうにかしなき
 ゃだけど・・・・。

 「あ、あの亜里沙ちゃんに話が!!」

 無理矢理話を続けよう!!

 「お嬢様の・・・・いや、駄目だあっ
  ちに行け!!」

 ドンッ

 「きゃっ!!」

 思いっきり地面に尻餅をついた。

 「未琴!!」

 ちょうど来た櫂があたしを持ち上げ
 てくれた。

 「・・・・亜理紗!!あんたはそれで
  いいの!!こんなの酷い!!櫂がど
  んな気持ちであんたを待ってたと思
  ってんのよ!!」

 空港に響く大きな声で叫んだ。

 それに反応した亜理紗がこちらを向く。

 「・・・未琴ちゃんに何が出来るの?」
 
 震えた声で言った。

 「未琴ちゃんに私の気持ちがわかる分
  けない!!」

 大きな涙を流しながら。

 大声で叫んだ。

 「・・・・なによ・・・あんたは逃げ
  てるだけよ!!」

 私がそう叫ぶと大きな男達があたしに
 近づいてきた。

 「おい、逃げろ未琴!!」

 櫂が私をかばおうと前に立った。

 「な~に言ってんの?」

 二ッ
 
 と笑う。

 背中背負っている大きな棒に手を掛け
 る。

 「お前・・・それ・・・」

 櫂が驚き私が持ってる物に指を指す。

 「竹刀よ」


 
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