君の笑顔をもう一度


 手を口の前でシィ~とされた。

 「え・・・・?」

 腕を引っ張られて保健室の窓から連れ
 出された。

 隼人君の着ていた服は保健室の布団に
 包まっていて、女子の皆はそれを時雨
 君と勘違いしてるようで引っ張り合い。


 「あの、良かったの?」

 
 時雨君もいつの間にか制服に着替えて
 るし・・・・。

 隼人君も置いてきちゃった。

 「それにしても・・・・時雨君って
  センスいいよね?」

 時雨君は制服を着崩しているんだよ
 ね。

 うちの制服は特に指定なんてないん
 だけどほとんどがキッチリ着てるん
 だけど・・・・。

 

 緑のチェック柄のズボンに緑のラインが
 入ったブレザー、赤いネクタイ。

 時雨君はワイシャツで、赤ネクタイに
 クリーム色のパーカーを羽織ってる。

 「フンッ・・・当然だろ?」

 自慢げに鼻で笑った。

 「でも、未琴とこうしてゆっくり歩い
  てみたかったんだ」

 「あたしと?」

 「おう!!未琴は面白いって隼人から
  聞いてたからな」

 そんなことまで言ってるの?

 以外・・・・。

 「ん~ただなアイツ口堅くて他に教え
  てくれないんだよ」

 あらっ?

 なんか・・・・。

 何とも言えない。

 「だから、俺が直接聞くことにした!!」

 「何を?」

 「未琴の全部だ!!」
 

 
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