君の笑顔をもう一度
「これ見てください」
そう言って私に渡したのは・・・・。
「中学のアルバム?」
「はい!!」
青くて少し分厚いアルバム。
確か隼人君と伊夜ちゃんって幼馴染だって
言ってたから隼人君も載ってるのかな?
一枚一枚ページを開く。
「これ・・・・・」
満面の笑みを浮かべ、友達と腕を組んでい
る隼人君が居た。
私が知っている隼人君より少し幼い。
隼人君の写真には必ず回りに大勢の人が
いていつも中心に居る。
そして中には・・・・
「あっ・・・・時雨くんだ」
少し幼い時雨君もいた。
「か、可愛い」
手を合わせきらきらした目で見る。
すっごい可愛い!!
やっぱり時雨君は童顔なんだね。
「あたし・・・負けませんから」
ボソッと声が聞こえた。
「ん?なんか言った??」
今なんか聞こえたような・・・・・。
気のせいかな?
「あたし、未琴さんが隼人の初恋の人
でも負けませんから」
そう言って私を睨んだ。
初恋って?
誰かと間違えてるんじゃない?
「あの・・・・・「未琴帰るぞ~!!」
櫂の声が聞こえた。
「あっもうこんな時間」
櫂に言われて始めて辺りが暗くなってる
事に気づいた。