君の笑顔をもう一度
「・・・・っ」
私が意識を覚ますと。
なぜか涙が止まることのなく溢れてきた。
「お、おい未琴?」
私の体を抱えていた凛が私の涙を拭き取
ってくれる。
「凛・・・・・っ・・・あぁ」
私は泣き続けた。
あの記憶が悲しかったからじゃない。
なんとなく自分のことのように思えたんだ。
私の中に出てくる雅様は顔が見えない・・・
・・。
黒くぼやけて見えないんだ。
ただ分かること・・・・・それは、きっと未
汐はいつか必ず・・・・雅様に会えるって事。
―・・・カタッ
足音が近づいてきた。
「おじいちゃん・・・ママとパパも・・・
聞いて欲しいことがあるんだ」
「ゆっくりでいい・・・ゆっくりでいいか
ら今起きたことを説明してくれ」
私を支えていてくれた凛が体を起こしてく
れた。
コクッ
頭を頷かせる。
私は全て話した。
たまに見る夢のこと・・・・・時々突然倒
れること、記憶が途切れ気づいたら自分が
自分じゃなくなっていたこと。
「そんなことが・・・・起きていたなんて」
ママとパパは不思議そうに言っていた。
「いや・・・いつかは来ると思っていたこ
とだ」
それとは逆にじいちゃんは落ち着いていた。
「まぁ・・・・このことはまた今度じっ
くり聞こう。今日は疲れただろうから」
パパはそう気をつかってくれた。
「そうじゃな・・・」
家に戻ることになった。
「あ、そうだ!!凛!!」
ママがポンと手を叩いた。
「あ゛っ?」