君の笑顔をもう一度
私は目に溜まる涙を堪えながら。
二人に気づかれないようにゆっくりと
立ち上がり歩き始めた。
なるべく
人に見られないように人目のつかない所に
その時たどり着いたのが、
屋上だった。
「っ・・・・・」
誰一人いない屋上で声を殺して
泣いた。
横になり手を交差させて顔を隠した。
どれくらい泣いただろう。
日も暮れて辺りが暗くなってきた。
ゆっくりと体を起こす。
「あれ?」
すると、手の横にあるケータイが光ってい
るのが見えた。
手を伸ばしてケータイを開く。
着信 15件
メール30件
着信のほとんどがじいちゃんで
メールのほとんどが櫂と亜里沙ちゃん
だった。
あーあ
これじゃあじいちゃんに怒られるな。
それからしばらく静かに空を見上げた。
初めてだったな。
あんなに泣いたの。
帰らなきゃ怒られるよね。
いったん教室に戻ってかばんを取り
学校を出た。
家に帰ると真っ先にじいちゃんが駆けつ
けてきて怒ろうとしたけど、様子のおか
しい私に気づいたのか今日は寝なさいと
言ってくれた。
じいちゃん迷惑掛けてごめんね。
私は自分の部屋に行き布団に
潜り込んだ。