君の笑顔をもう一度
確かにそういえば時雨君、名字水那月だっ
て言ってたじゃん!!
「も、もしかして時雨君ってここの理事長
の息子!?」
びっくりしながら聞くと「うん」と平然と
答えられた。
ほ、本当だったんだ!!
そう一人で関心にひたっていると、ある事
に気づいた。
そういえば時雨君の隣に違う筆箱があるけ
ど、誰か居たのかな?
時雨君が口を開いた。
「あ、そういえば言うの忘れてたもう一人
紹介したい奴いるんだよ」
紹介したい人?
すると、時雨君が名前を言おうとした時、
図書室のドアから誰かが入ってきた。
ガラッ
「そうそうこいつ“棗 隼人”って言うんだ」
棗 隼人・・・・。
ってあの!?
棗 隼人(なつめ はやと)
完璧なルックスの持ち主で、手足は長く身
長も180cm位あって、目はパッチリして
てサラサラの黒髪。
おまけに頭脳明晰。
噂によると入学して次の日からもうファン
クラブがあったとか。
「・・・・誰この人?」
その人が疑問そうに口を開いた。
そりゃあそうだよね、急に知らない人が居
るんだもん驚くのも無理ないよね。
と、とりあえず自己紹介、自己紹介・・・
・。
「あの、私姫野未琴って言います。今、時
雨君に勉強を教えてて・・・・」
なんかあたし一人でベラベラ喋ってる様な
気がする。
気づくと、その人はどんどん近づいてく
る。
えっと・・・・。
こちらを見てる。
な、なんか気まずい。
へんな汗かいてるかも・・・・。
でもこの人すごいきれいな顔してる近く
で見るとやばいくらいドキドキしちゃう。
これは普通の人なら倒れるかも。
すると、時雨君が突然変な事を言い出し
た。
「すげ~隼人みて「きゃ~」って声出さな
い人初めてみたっ♪」
やっぱりそうなんだ。
確かに普通の人なら黄色い声とか出すん
だよね。
時雨君がそう言うと隼人君は椅子に戻った。