君の笑顔をもう一度

 

 「隼人君~愛してる!!」

 うっわ―あれってファンの皆様ですか・・・。
 
 よくあんな声出せるな。

 あれって応援団にも勝てちゃうんじゃな
 い?

 そう思うほど物凄い声を出していた。
 あっ、それより隼人君に用事があるんだっ
 た!!

 ハッと我に戻る。

 大勢いる人を掻き分けなるべく近くに近づ
 く。
 
 お、押さないで~

 わわっ転ぶ~

 まるでおば様がたのバーゲン会場みたい
 ・・・・。

 「は、隼人君~!!」

 私は精一杯声を出す。
 すると私に気づいたのか手を差し出してく
 れた。

 「ありがとう」
 
 ・・・・・。
 
 ただいま隼人君のファンの皆様に大変睨
 まれておます。

 「・・・・あっちで話さない?」
 
 「・・・・そうだな」

 そう言うと隼人君はサッサッと行ってしま
 った。

 置いて行かれ、いまだに睨まれている私。

 隼人君とは何にもありませんからそこまで
 睨まないでください!!

 ゆっくりその場を後にする。

 「なんなのあの子・・・・」
 「ぜんぜんかわいくないじゃない」

 ・・・・・。

 まるぎ声です・・・。

 神様私が何かしましたか(涙)

 私最近損ばっかりしてるかも。

 
 少し歩くと隼人君がいた。

 「・・・で何したの?」

 クルっと後ろを振り向いた。

 あっそうだった。

 「これ」

 親指と人差し指でチロルを掴んで渡した。

 「はっ・・・・これだけのために?」

 え!!これだけ??

 チロルの数もっと増やせばよかったのか
 な?

 すると私の思ってる事に気づいたのか「い
 や違う」っと言った。

 「これ、こないだ勉強教えてくれたから」

 すると笑い声が聞こえた。

 プッ

 え!!

 「お前って単純だな・・・・」

 なんか隼人君笑ってるんですけど??



 

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