君の笑顔をもう一度


 ガラガラッ

 私は図書室のドアを勢いよく開けた。


 ハァハァ


 走ってきたから息がはぁはぁ言ってる。

 あれ?

 隼人君いないな・・・・。

 今って図書委員いないから大声出してもい
 いよね。

 スゥ

 「隼人く~ん!!」

 そう大きい声で言った。


 ガッ

 わぁ!!

 すると突然後ろに引っ張られた。

 痛てて・・・・。

 誰?


 後ろを振り返る。


 「隼人く・・・・」

 私が名前を言おうとしたら口を塞がれ
 た。

 何・・・・?

 すると隼人君は顔を近づけて小声で言っ
 た。


 『お前な~俺の唯一の場所なくす気か!
  !』


 え・・・・唯一の場所?

 ってことは隼人君お家に帰れなくていつ
 もここに・・・・。

 目を見開く。

 するとはぁ~とため息をついて私をひき
 ずって行った。


 誰もいない図書室の奥。

 「隼人君どうしてここに?」

 すると隼人君は普通の声の音量で喋った。

 「俺は今追われてんだ、女に。後、お前
  アホ?」

 はぁ~?
 
 アホって何よ!!

 「キィー」と隼人君を睨む。


 「他の奴に俺がここにいること言っちゃ
  駄目だからな」

 そう言って私のおでこにこつんとした。


 わぁ~

 顔近いって~


 隼人君のドアップ。

 私の耳元でこそっと言った。

 「約束な」

 
 
 

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