君の笑顔をもう一度


 「後ろ乗れよ、遅刻するだろ?」

 首を傾げてニコッと笑った。

 うっ・・・・

 一瞬、櫂の笑顔にキュンとなってしまった。

 
 「なぁ未琴・・・・さっき気づいたんだけど
  お前って化粧とかしてないだろ?」

 自転車で坂を下ってると櫂が突然変な事を
 聞いてきた。

 ん~

 「リップはしてるけど化粧とか香水はして
  な いよ?」

 何でそんな事聞くんだろ??

 「ん?いや・・・・」

 ??

 何なのよ

 意味わかんない

 もじもじしちゃってさ

 ぷんっとすねる
  
 あれ?

 でも確か明後日って・・・・・

 「・・・・亜理紗の誕生日?」

 「・・・・よく覚えてたな。実はさ亜理紗に
  プレゼント買おうと思ったんだけど何いい
  か分かんなくてさ」

  ツンツン
 
 私は肘で櫂の背中を突っついた

 「な~に?かっこつけちゃってそんなの何
  で もいいんだよ。亜理紗は櫂がくれた
  ものなら喜んでくれるよ」

 私だからかも知んないけどきっと大丈夫だ
 と思う・・・・・たぶん。

 もしかして亜理紗に化粧品でもやるのかな?

 
 「ありがとな、お姉ちゃん♪」

 は?

 お姉ちゃん・・・・。

 しかも語尾上がっちゃってるし。

 「あたしはいつからあんたのお姉ちゃんだ
 ~!!」

 
 静かな朝に私の声が響いた。

 

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