君の笑顔をもう一度


 「なぁそれより何で倒れたの?」

 ん?

 え―っと・・・・

 「急に頭が割れるような痛みを感じて、
 倒れたかな?」

 私は首を傾げて言う。

 「かな?って・・・・まぁいいやそれ
 より今は痛くないのか?」


 自分の頭に触れる。

 何ともないな・・・。

 「別に平気だよ?」

 「・・・・なんでさっきから疑問系な
  んだよ」

 「なんかさっき変な夢見てさ、今頭の中が
  ・・・・・」

 さっきまで違う所にいた気がするんだよね
 平安時代のお屋敷みたいな。

 すると珍しく凛が話に食い付いて来た。

 「な、なぁどんな夢見たんだよ」

 え?

 どんな夢と聞かれましても・・・・・・

 「お屋敷でした」
 
 としか答えられません。

 「お屋敷~?」

 凛が不思議そうな顔をする。


 だってそれしか思い出せないんだもん。

 よくあるじゃん。
 
 さっきまで見てた夢を忘れる・・・・・って


 !!!

 
 頭に何かが走った。

 目を大きく見開く。


 「どうした?」


 あ、あたし何で忘れてたんだろう・・・・。

 あんな重大な事を・・・・。

 頭を押さえ込む。

 「あたし・・・・あた・・し」

 声と体が震える。

 「おい!落ち着けどうしたんだ?」

 凛があたしの肩を掴む。

 あたしは顔を上げ凛を見る。

 「忘れてたの・・・昨日の事・・・」

 すると凛が歯を喰いしばった。

 「なぁ・・・未琴。昨日の事なんだけど
  さ、あれ夢の夢なんだよ」
 
 ・・・・夢の夢?
 
 言ってる意味が・・・・。

 
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