君の笑顔をもう一度


 時間は?
 
 急いで腕の時計を見る。

 もうすぐ授業始まっちゃう!!

 バタンッ

 私は勢い良く図書室のドアを開けた。

 走って奥まで進む。

 居たっ!!

 私はその人物に駆け寄る。

 その人の前に立つとすぐ頭を下げた。


 「ごめんなさい!!」

 「は?姫野?」

 そこには驚いた顔をした隼人君がいた。

 すっかり忘れてたの弁当作るの。

 今日寝坊したし売店で何も買えなかったし。

 雷が落ちるのを恐れつつゆっくりと顔を上
 げる。

 「ハハッ。何したんだよ二人して」

 え?

 何故か後ろから声がした。

 後ろを振り返る。


 「あ、時雨君?」

 そこには隼人君の親友の時雨君が立っ
 ていた。

 突然の登場に驚く隼人君とあたし。

 「何でここにいんだよ」

 隼人君が尋ねる。

 「ん~?なんか暇で隼人のとこでも行こう
  かなと思ってさ」

 はっ!!

 「隼人君本当にごめんね~」

 半分なき目で言う。

 するとプイッと後ろを向いてしまった。


 ガ―ン

 おもいっきり無視された。

 私が悪いって分かってたけどあんまりだよ
 ~!!
 

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