Circle of Happiness ~幸せの輪~
「イノ?」

「ん?」

「大丈夫?」

祭くんも、有希も察しが良すぎる。

なんで、気がつくのだろうか…。

「イノの事ならなんでも分かるよ。私はイノの親友だからね。」

何も言ってないのに、私の心情を感じ取って、欲しい言葉をくれる。

「うん。有希、有希は私の親友だもんね。」

「当たり前でしょう。」

即答。

あぁ、こんなにも優しい。

私の死後、有希は変わってしまうのだろうか?

おとなになったら、結婚したら、

私を忘れてしまうのだろうか…。

そんなの、嫌だ。

ずっと、覚えていて欲しい。

だけど、それはすぎた願い。

死して尚、覚えられていたいなんて、私はどれだけ厚かましい事を言っているのだ…。

駄目だ。

今日は、思考がマイナス方向に走ってしまう。

考えるのをやめよう。

思考停止しよう。

そうしなければ、私はきっと泣いてしまうから、挫けてしまうから。

みっともなく、生に捕まろうとしてしまうから、

だから、此処で思考停止しよう。
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