Circle of Happiness ~幸せの輪~
隣にいる母は唖然としている。

母と比べ、私は落ち着いて見えるのだろう。

まぁ、そろそろ来るだろうと思っていたし、

騒いだって長く生きられるわけじゃない。

宣告を受け一番辛いのは、おそらく私じゃなくて家族だ。

…自分の体の調子くらい、自分で分かっている。

幼き頃から心臓に病があり、手術をすれば治るものの、

Rh-という、珍しい血液型の私に、手術が受けられる可能性は無いに等しいことも、

すなわちそれが死に繋がるということも、

分かっていたのだから。

発作を起こす回数が増え、

発作の程度が酷くなっていく。

病状は悪化以外の文字を見せてはくれず、

体が耐えられなくなって行くのも感じていた。

お母さんはきっと、私の見えないところで泣くのだろう。

お父さんや、祭くんも、きっと悲しんでくれる。

私は、後半年を、どう過ごしたらいいのだろうか…。


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