Circle of Happiness ~幸せの輪~
席についたままぼーっとしていると前の席に誰かが座る。

顔を上げてみてみればそこに座ったのは柚井君だった。

明るい髪色に、ツンツンと立っている髪の毛、

耳にはピアスが付いている。

…不良ってこういう人のことを言うんだろうな。

ぼんやりと柚井くんを見ていると急に振り返られる。

「…おはよう、会長さん。」

「お、おはよう柚井くん。」

普通に挨拶をされる。

「…会長さん、暇?」

「へ?」

何か、よく分からないことを聞かれる。

「…今、暇?」

「あ、うん。」

「…俺も、暇。」

「そう。」

「…だから、先生来るまで、お話…しよ?」

「あ、うん。いいよ?」

…思っていたイメージと違う。

「…俺、会長さんってもっと怖い人だと思ってた。」

「え?なんで?」

「…髪の毛の色とか、ピアスとか、怒られるかな…って。…なのに、全然怒らないし、会長さん、優しいね。」

「髪の色って、校則で決まっているわけじゃないし、ピアスだって許可されてるもん。さすがに許可されてることまで怒らないよ。」

うちの学校は校則がゆるい。

髪の色に指定はないし、アクセサリー類も自由だ。

制服も、校章が見えるところについていれば何でも良くて、改造や、私服に校章をつけただけの人もいる。
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