Circle of Happiness ~幸せの輪~
和やかに会話をしている時だった。

不意に、脈がずれる。

規則正しく脈が打たれていない。

その為に息苦しくなり、気持ちが悪い。

でも大丈夫。まだ、軽い。

だけど、これを態度にだしちゃダメ。

柚井くんと森くんは何も知らないし、祭くんに迷惑をかけちゃうから。

「…祈、ちょっと俺用事あるんだ。ついてきて。」

「わかった。ごめんね。ちょっと言って来るね。」

…頑張ったのに意味はなし。

あっさりと祭くんにはばれていた。

「…また、後で。」

「祭もまた話そうぜ。」

あっさりと頷いてくれて良かった。

柚井くんと森くんが教室に入っていったのを見届けた後、祭くんに腕をひかれる。

「…保健室行くぞ。」

「ごめんね。」

今までだって、祭くんには発作を起こしていることはバレてしまっていたのだ。

「…ごめんなんて言うな。」

怒ったように話す祭くん。

でも、謝るしか無い。

…っ。まずい。

「祭…く」

呼吸が詰まる。

脈はばらばらになって行く一方で、もう既に言葉を出せなくなった。

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