Circle of Happiness　～幸せの輪～
「祈、運ぶぞ。」

そう声がかかって、祭くんにだっこされたのがわかる。

持ち上げられて、近いはずの祭くんの顔はおろか、制服すらぼやけてきている。

意識が遠のいて行く。

あぁ、やはり病状は悪化しか見せてくれない。

私の心臓は、欠陥品だ。

スペアすら存在するか怪しい。

回復の兆し、そんなモノは見たことがない。

入院をすれば日に日に増えていく管の数。

管に繋がっている薬で体調は一時的に回復したかに見せかけても、長くは持たない。

頑張ることが嫌になっても、頑張らなきゃ死んでしまうから、

頑張るしか無い。

諦める、ということは、直結で死に繋がっている。

どうせ死ぬんだ、だったら楽にしなせて欲しい。

じわじわと蝕むなんて、そんなの苦しいだけじゃないか。

諦めたくても、周りは許してくれないんだ。

手の施しようなんて無いくせに。

効果の怪しい薬でめちゃくちゃにつないでいるだけじゃないか。

何もかもが嫌になる。

だけど、どうしようも出来ない。

苦しいのに、解放されないんだ。

苦しんで、苦しんで、

そして死ぬ。

そんなのってないよ…。
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