Circle of Happiness ~幸せの輪~
祭の想い。
ー祭Sideー

俺の双子の妹は病気だ。

治らないらしい。

それを知っても妹は、祈は強かった。

病気だと告げられたあの日、幼き祈は笑っていた。

両親が驚いて、俺は理解出来ていなくて。

そんな空間にいたあいつは笑っていた。

家に帰って、両親の話し合いのために俺と祈は部屋へと戻った。

隣合わせの部屋にばらばらに入った。

何が何だか分からなくて幼き脳で必死に考えているときに、隣の部屋から小さな鳴き声が聞こえてきたんだ。

俺と同じ年齢であいつは全てを理解し、親の前では涙を見せず、一人で泣いていた。

気がついたら、あいつの部屋にいたんだ。

祈を抱きしめて、何も分かっていなかったのに俺まで泣いてた。

あの日以来、あいつは俺の前以外で泣かない。

あいつは辛い時、自虐的な笑みを浮かべる。

親は、気がついていない。

あいつが限界だということも、ホントはきっと、『楽』になりたいということも。

あいつはどこかで『死』を望んでいるんだ。

我慢ばかりの日々。

報われないであろう努力を続ける日々。

限界なんて、もうとっくに通り越しているのに、

親のため、友達のために頑張ることをやめようとしない。

2人で話をしたりすると、祈は絶対に『頑張らなきゃ』って言うんだ。

いつも通りの自虐的な笑顔を浮かべながら。
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