Circle of Happiness ~幸せの輪~
「祭くん、写すのなしね?」

「はは。どうだろうね。時間やばかったら写しちゃうし。」

「前もってやっとかないから悪いんだよ?」

長期の休みの時に出る宿題を祭くんはいつもギリギリで(写して)終わらせる。

「母さんみたいなこと言うなよ。」

「だって祭くんいっつも写すだけで私には写させてくれないもん。」

「いやだってそれは、祈が俺より早く終わらせちゃってるから。」

「言い訳はかっこ良くないよ?」

いつまで、祭くんに写させてあげられるんだろう…。

夏休みは、ギリギリ間に合うのだろうか?

それとも、すでに夏休みには衰弱して入院でもしてるのだろうか?

冬休みはきっと…

「祈?何ぼーっとしてるの?大丈夫?」

「ん?平気だよ。」

「発作?」

「違うよ。ただぼんやりしてただけ。じゃ、勉強しようか。」

心配そうに覗き込んでくる祭くんに微笑む。

「しんどかったら言えよ?」

「うん。なんか祭りくんお母さんみたいだね?」

「うっわ。心配してやってるのになんて奴だ。」

「あはは。ごめんね?さてと、祭くんの宿題やりますか。」

「頼んだ~。」

「祭くんがやるんだよ?」

押し付けようとしてきた祭くんを叱ってからリビングに移動する。
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