sweet. Love. shower.
―そして気がつけば、山口に来てから3ヶ月が過ぎていた。
結局、桜もいつ咲いたのか分からないうちに散ってしまっていた。

『寛治、私仕事見つけようかと思うんだ。』
『え!ほんと?まだ来てから間もないし…無理しなくていいんだよ?』
そう言う寛治の方が無理してる。
山口に来てから3ヶ月間、丸一日家で休んでいる彼を見ていない。
『私のことはさておき、寛治は仕事まだ落ち着かなそう?』
『うん…。まぁ異動したばかりだしね。仕方ない。』
そう言うと彼は朝御飯を一気に口に運び、足早に玄関に向かった。
『あ!葉月ー、今日も夜ご飯は要らないからね!』
玄関から聞こえる寛治の声。
『今日も?沢山身体動かしてるのに食べなくて大丈夫なの?』
彼はこっちに来てから、一度も夜ご飯を食べていないのだ。
新潟で彼の働く様子を間近で見ていただけあって、さすがに心配。
毎日一応作って置いておくのだが、結局私の朝御飯になる。
『大丈夫だよ!ならいってきまーす!』
私の心配をよそに、寛治は毎日元気に出かけて行く。
いつか身体壊さないといいんだけどね…。
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