REVENGE Ⅰ
「こんなに笑ったの久しぶり。改めて礼を言わせて。
………ありがとう。」
そう言ったアリスさんは、あたしに優しく微笑んでいた。
だからあたしも微笑み返す。
「……あたし、それでもまだあなたを許すことはできない。
でも、今回の恩は絶対に忘れない。」
「……はい。」
「それじゃ、また明日。歩夢待たせてるから。ごきげんよう。」
「ごきげんよう。」
アリスさんはくるりと向きを変えて、教室のドアまで足を進める。
今日、この瞬間、アリスさんとの距離が縮まった気がした。