REVENGE Ⅰ
バンッ!!
姫華がドアを開けようとしたとき、ドアが勢いよく開いた。
「ハァッ…ハァッ…ハァッ…」
「あ…明日香……?」
「ま…、間に合った…!!」
「え…?」
あたしが廊下を走ってまで急いだ理由は、姫華が……、
姫華が行ってしまうから……。
「姫華…、ホントに行くの…?」
「明日香…。……うん、行くよ。」
「どうして…?どうして何にも言ってくれなかったの!?」
「ごめん…。でも昨日の夜言われたの。『長期留学で最低2年、ロンドンに行かないか』って。」