初恋 ~短編~


3人並んで帰る。
なんだかきまづい空気が流れていた。


そんな空気を察した総がいろいろな話をしはじめる。


総の話を楽しそうに、ほんのり頬が赤く染めて…。
それは、夕日に照らされているからなのかな?
違う。
りなは総のことが好きなんだ。

そんなことを思うと、自然と目に涙が溜まる。


「わりぃ、俺寄る所あるんだわ。先帰ってて」


「おー、了解。じゃーな」


「おー、じゃーな」


わざとらしい笑顔を向けて2人を見送る。


2人が見えなくなると、俺は泣いた。
かっこわりぃけど、すごく悔しかった。


なんで総なんだ?って。
どうして俺じゃないんだ?って。


目をパンパンに晴らして、寮に帰った、
なるべく顔を見られないように、自分の部屋へと向かう。


でも、やっぱり寮母さんには見られちゃって、全部を話した。


寮母さんは、自分なりの答えを出せばいいよって言ってくれた。
その言葉に少しだけ癒され、自分の部屋へと戻った。


ベッドにダイブして、布団に顔をうずめる。
俺なりの答えってなんだろう―――?


考えて、考えた。


俺なりの答え、それは…



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