アイツと過ごしたあの時間
「そ、それだけでここまできたわけ?」
彼女たちも私と同じように怖がっているようだった。
その時アイツはとても低い声で言ったんだ。

「だってさ、『小夏ちゃん』が連れて行かれたんだよ?」

その時アイツがアイツに見えなかった。
とても、とても怖かった事だけ覚えてる。

いつもヘラヘラ笑っていて、みんなに優しいのに
その時だけは怒っていた。
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