_DAILY COLORS_
次の日。
里優はまた体育館を覗きに来ていた。
沙希ちゃん無しで、あんな風に自由に笑えたら良いのに。
あんな風に、自由に。
羨望は、願望へ。
願望は、憎悪へ変わる。
今、沙希が荒れてる原因。
沙希がもっとも興味あるものを作り出したバレー部の部長。
自分にスポットライトが当たっていないとダメな沙希。それが、今はバレー部にあたっている。それだけで、憎むべき存在になるのだ。
でも里優は、そんなバレー部の中に入りたいと思っていた。私は変われる?夢中になれる?興味から覗きに来るものの、沙希の足枷のせいでなかなか声がかけられない。
見ているだけで良い、だなんて思わない。
見ていれば、見ているほど皆が羨ましくなる。
バンッ!!!!!!
里優「!!!?!?」
突然扉が開いた。
里優は細い肩をビクンと上げ驚く。
土田「入部希望者!?!?」
里優「ぇ…あ…」
土田「とりあえず入って!」
里優は無理矢理部室に入れられる。
中には他に4人いた。
土田「マネージャー」
浅木「はいっ」
紙とペンを渡すジャージ姿の人。
里優は震えながら自分の右拳を見つめる。
こんなとこ、沙希ちゃんに見つかったら。
ガタガタと震える手は、治まる気配はない。
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