゙幼なじみ゙という名の壁~素直になれなくて~
「だ―か―ら―。
体育祭の選手決めだって♪」
あぁ。もうそんな時期か…。
「そっか。んじゃリレーの選手も決めるんだよな…。」
これが毎年嫌でしょうがない。
「星磨速いし、立候補しろよ!」
つーか光樹だって
かなり速ぇし。
「絶対しねぇよ。」
「え―もったいねぇな!!!」
「んじゃ俺が、
光樹を推薦してやるよ!」
もちろん冗談だけど。
「ぜって―無理!
…俺は長距離担当だし。」
…それもそうだよな笑。
しばらく体育祭の話題で
盛り上がっていると…。
「もう時間だ。
早く席に着けよ―。」
チャイムとほぼ同時に
担任の鈴川がやってきた。
これといって特徴もない
48歳の中年のオッサンだ。
「え―。今日の7限のHRで
体育祭の選手決めを行う。
…それまでに大体は各自で決めておくこと!」
その一言に
みんながザワザワし始めた。
「ねぇどうする―???」
とか
「今年のリレーは誰だろ―ね♪」
とか。
俺は去年の体育祭で
タイムが一番速かったという理由だけで、リレーの選手に選ばれた……。
でも負けたくはなかったから、必死に練習して…なんとか勝ったけど…
俺は昔から
プレッシャーに弱い。
だからリレーだけは勘弁だ。