太陽は月を見れない
『灯夜君へ。
今日も手紙ありがとう。
今日わたしは昔の友達に会いました。
いや、親友…かな?
彼女は当時とまったく変わらず明るくて元気でした。
突然でびっくりしたけれど、再会出来てとても嬉しかったです。
灯夜君にも、会いたい人っているのかな…。』
わたしは今日も嘘をつく。
重ねた嘘が、『偽物のわたし』が
灯夜くんの心に刻まれていく。
でも最後に書いた一行は『本当のわたし』。
『P.S. わたしは灯夜くんに会い』
書きかけた手を休め、わたしは消しゴムを手にとった。
何故だかわからないけれど…
これ以上、求めてはいけない。
そんな気がしてならなかった。
それでも…聞きたくて、聞きたくて仕方ない。
この想いをいつまで自分の心の中に秘めておけるか…。
不安で仕方ないのだ。