太陽は月を見れない
さぁ早く手紙を取りに行こう。
私の唯一の生きる意味。
玄関を開け、外へ一歩踏み出すと、
「ちょ!あぶねぇっ!」
「え?」
横から自転車が突っ込んできた。
「きゃああ!」
ガシャン!!
「…?痛くない……」
正面にはハンドルが曲がり、カゴがふっとんだ無惨な自転車とうつ伏せに倒れている人がいた。
「いってー…」
「だ…大丈夫…ですか?」
声をかけると、むくりと起き上がりこちらを向いた。
「ん…あぁ!?」
同い年くらいの男の子…?
鋭い目つき。
茶色の髪の毛。
左右に光るピアス。
体がビクッと硬直する。
コワイ…。