太陽は月を見れない
ガタン!
「ひゃあ!?」
突然の大きな音に驚いて、目が覚めた。
心臓がバクバク鳴っている音が聞こえる。
あぁ、本当にびっくりした…。
ふと時計を見ると、針は五時半をさしていた。
太陽はもう昇り始めている。
わたしはベッドから起き上がった。
ベッド横に置いてある鏡に視線を移す。
そこにうつった自分の姿に目を疑った。
「…あ、れ?わたし…昨日……私服のまま寝ちゃった…?」
でも、昨日はパジャマに着替えて寝たはずなのに。
…夢でも見ていたのだろうか。
「わたし昨日この服着てた?」
いくら考えても、記憶がない。思い出せない。
もしかして、夜寝てる間に着替えたの?
まさか、そんなことあるはずない。
…じゃあ誰かが?
けれど泥棒でも入らない限り、この家にはわたし一人しかいない。
わたし一人しか…。