太陽は月を見れない
「いやぁー!!!」
「どうしたの…歌南!」
息が乱れる。
涙が次から次へとこぼれ落ちる。
「…大丈夫…?歌南…」
「さっ触らないで!!」
わたしに触れようとした麻衣を拒絶してしまった。
「…何で?」
麻衣は心底悲しそうな顔でわたしを見つめている。
「あ…あぁ……」
少し呼吸も落ちついてきて、ようやく我に帰ったわたしは、家へと駆け込んだ。
「ま、待ってよ歌南!」
なんで…なんで?
なんで今更麻衣が…!
「帰って…!」
麻衣に聞こえるはずのない、か細い声。
「もういや…」