となりの女の子
はじめまして。
〜我が家のとなりに家が建った。
ずっと空き地になっていて、時々…いや、いつも遊ばせてもらっていた場所に建てられた、オレンジ色の屋根の家。
どんな家族が来るのかと、
楽しみであり、不安でもあり…
勝手に想像してみては、いつも二人で話してっけ。
それは、よく晴れた春の昼下がり…その人はやってきた。
ありきたりな挨拶を交わしたのち、母親が何やら話しかけると、
「6月なんですぅ。」
か細い手で、ぽっこりと突き出たお腹を擦る彼女。
すると、
「生まれてきたら、遊んでくださいね!」
トイレから出るに出られず、少し開けたドアの隙間から覗き込む僕を見つけ、にっこりと微笑んでみせた。
「あ、はい…」
そんな状況に、照れと焦りで、
つい、約束を交わしていた僕は、双子の兄の方。
それからの3ヶ月間、
弟との二人の話題といえば、
お腹の赤ちゃんが男か女かと…
それはもう、待ち遠しくてたまらなかったものだ。
日沼 颯太(そうた)兄
寛太(かんた)弟が、
10歳になる初夏のある日、
となりの家に、待望の
泣き声の大きい、
元気な女の子がやってきた。〜
ずっと空き地になっていて、時々…いや、いつも遊ばせてもらっていた場所に建てられた、オレンジ色の屋根の家。
どんな家族が来るのかと、
楽しみであり、不安でもあり…
勝手に想像してみては、いつも二人で話してっけ。
それは、よく晴れた春の昼下がり…その人はやってきた。
ありきたりな挨拶を交わしたのち、母親が何やら話しかけると、
「6月なんですぅ。」
か細い手で、ぽっこりと突き出たお腹を擦る彼女。
すると、
「生まれてきたら、遊んでくださいね!」
トイレから出るに出られず、少し開けたドアの隙間から覗き込む僕を見つけ、にっこりと微笑んでみせた。
「あ、はい…」
そんな状況に、照れと焦りで、
つい、約束を交わしていた僕は、双子の兄の方。
それからの3ヶ月間、
弟との二人の話題といえば、
お腹の赤ちゃんが男か女かと…
それはもう、待ち遠しくてたまらなかったものだ。
日沼 颯太(そうた)兄
寛太(かんた)弟が、
10歳になる初夏のある日、
となりの家に、待望の
泣き声の大きい、
元気な女の子がやってきた。〜