となりの女の子
読書好きでゲームも得意な颯太は頭の回転が速い。

もちろん寛太もゲームは好きだが種類に偏りがあった。

「漫画は読めるけど小説になると眠くなる」と威張ってみせては、感想文を颯太に任せるといった悪知恵は働くのだが…

そんな時間があったら体を動かしていたいと言わんばかりに、
とにかく、
野球と遊びに夢中の寛太。

その運動神経は「小学生の域を越えている」と褒められることも多く、

その寛太を相手しているのだから体力もそれなりにある颯太は、
“優等生”そのものだ。

どちらにしても、
怜子には誇らしい息子達ではあるものの、平等に育てる難しさを身を持って実感させられていた。


二人の違いについては、本人達が一番良く知っているワケだが、
まだ、しっかりとした意志が備わっていない今、大人の判断で道を決めてしまうのは如何なものかと悩む。

数年後、颯太が何かのスポーツの選手候補にあがっているかもしれないし、
寛太が、とてつもなく重大な発見をするかもしれない。


ただの兄弟なら別々に考えることが出来るのだろうけど、
つい“一卵性の双子”となると、本当は同じ才能を隠し持ちあわせていて、いつか開花するのでは…と考えてしまうのだ。

こればかりは仕方がない。
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