となりの女の子
あの日、寛太が電話で大竹を説得した内容は………


「公園で見たアレなんだけどさ…誰にも言わないことって、おまえできるか?」

「え!やっぱりアイツらデキてんのか?」

「知らん。聞いてねーし…つーか俺にバレてバツが悪いんじゃね?俺もさ、あとでうだうだ言われてもメンドクセーから関わりたくねんだ。つーことで黙っててくんね?」

「あ、うん。」


…と、これで口封じできたつもりでいた。

コレが、大竹という男のことを、あまりよく知らなかった寛太の運命を変えることになったのか…そうではないのか…?


「おい高見、おまえ達ってどうなったわけ?珍しく寛太が気にかけてたけど…」

「え?!なんで大竹が知ってんの?」

「だって俺、見たもん…二人が公園に居るところ。しかもその時、寛太と菊地も一緒だったから!」

「嘘…」

「あの兄弟、あんまり話さないらしいから、協力するってことは無いかもしんないけど、寛太は寛太で考えてるみたいだよ。」

「…」

「大丈夫!俺、絶対言わねーから!口止めされてるしさ!」


と、慣れない世話をやいたものだから、お節介が勘違いを引き起こしてしまったのだ。

でも、早期発見がソレ以上の拗れを食い止めた。

機転の利く優菜は先回りをして、颯太と口裏を合わせることができたのだった。

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