お母さんを買う日
もう十九歳の小娘が今更小学生のようにエコなプレゼントなんかできない。
ケチったとか手抜きとかガッカリされそうで怖いし、『いっそ現金よこせ』と思われたら辛い。
だから、ようやく分かったことがある。
母の日は自分が子供らしくある日なのだと。
今までのプレゼントは間違いではなかった、ただ気持ちが足りていなかった。
小学生の気持ちなんか忘れていた。
やっと詩絵は分かった。
手で作る世界がどれだけ美しいかを。