tears'blue


「…で、何の用ですか。」


再び冷たく言い、あたしは男をじっと睨みつけた。


「フェアリー ドロップ カンパニーの者で〜す。新しい香水を作るんだけど、アンケートお願い出来ますか〜?」


そう言って、男はピラピラと紙を振って見せた。


アンケートにさっと目を通してみれば、色のことしか書いていない。


「香水…に色が関係あるの?」


あたしが訊くと、男は不思議そうに首を傾げて「あるよ?」とだけ言った。


「…ふぅん。まぁいいけど。」


「書いてくれんの!?じゃあ、あそこの机で書いてね〜。」


男が指を差した方に目をやると、次の瞬間には男は居なかった。


…というか、他の女の子にも声を掛けていた。


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