tears'blue
「ミハル、持ってキタ。」
びっくりして横を見ると、先程の、黄緑色の瞳をした少年が居た。
入ってきた気配が全くなかったはずなのだが…気付かなかっただけだろうか…。
葵衣は小首を傾げた。
「ライム、ありがとう。」
美春は、どれどれ…と、ライムという少年が持って来たバスケットを覗き込んでいる。
「月のしずく、星の欠片、青い薔薇…。」
「青い薔薇?…って、まだ世界には無いんじゃ…?」
葵衣が言うと、美春はギクッと体を揺らした。
「えっ!?あっ…あぁっ!
最近出来たのよ!?
知らなかった…?」
「へぇ…そうだったんだ。」
納得した葵衣を見て、美春は安堵の溜め息をついた。