tears'blue


「ライム、もういいわよ。
仕事に戻ってちょうだい。」


「うん、ミハル、バイバイ。」


日本人ではないのだろうか。


不器用な片言だ。


瞳も黄緑色だし…。


「あの…あんな小さい子も働いてるんですか…?」


葵衣が訊くと、美春は小首を傾げて言った。


「そうよ?私達は生まれたときから働いて…」


ハッと口を塞ぐ。


「生まれたときから…?」


「あっ いや…。えっと…
あ、ほら見て!鏡!」


はぐらかされて鏡を見ると、そこには爽やかな青いメイクを施された自分の顔があった。


「うわぁ…」


思わず感嘆の声を漏らす。


そんな葵衣を見て、美春はフフッと笑った。


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